
訪問時期:先日
その日は、たまたま愛犬を少し離れた遊水公園へ車で出かけて、遊ばせた帰りに少し足を延ばしてみた。前を走る車がたくさん同じ方向へ入って行くので、私たちも何かあるのかと思ってついていったら、そこは十勝岳の入り口だった。愛犬と主人はどんどん歩いていったけれど、私はそんな準備をしていなかったので、入り口付近で写真を撮ることにした。とても素晴らしい景色で、次回はきちんと用意して来たいなと思った。犬を連れては少々危険な道もありそうだったので、今回は見るだけにしておいた。
十勝岳について少し調べてみた
帰ってから、自分たちが眺めていた山について調べてみた。十勝岳は北海道中央部にある標高2,077mの活火山で、十勝岳連峰の主峰にあたる。大雪山国立公園に含まれ、日本百名山の一つにも選ばれているという。現在も火山活動が続いている山で、過去には1988~1989年に噴火した記録があるそうだ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 北海道上川郡美瑛町・上富良野町周辺 |
| 標高 | 2,077m |
| 山系 | 十勝岳連峰 |
| 山の種類 | 活火山 |
| 所属国立公園 | 大雪山国立公園 |
| 主な登山口 | 望岳台、吹上温泉、十勝岳温泉 |
私たちがついて行った先は、この登山口の一つ「望岳台」だったようだ。標高約930mにある展望地点で、駐車場から短時間で山頂や噴煙、溶岩流の跡を眺められる場所とされている。道理で、あの日も多くの車が同じ方向へ向かっていたわけだと納得した。
駐車場のすぐ先にあった「望岳台」の石碑

車を停めてまず目に入ったのが、この立派な石碑だった。石をピラミッド状に積み上げた台座に、大きな石へ白く「望岳台」の文字が刻まれていて、思っていたよりもしっかりと整備された登山口という印象を受けた。晴れた青空と緑の山肌によく映えていた。
駐車場越しに見えた十勝岳の山容

車を降りてすぐの駐車場からでも、十勝岳の姿はよく見えた。山頂付近には雲が流れていて、隠れたり見えたりを繰り返していた。これから登る人たちの車がずらりと並んでいる様子から、ここが人気の登山口なのだと実感した。
少し歩いた先で見た、雲と噴煙が重なる稜線

入り口から少し先へ進むと、案内板の前で身支度をする人たちの姿があった。私はそこで足を止めたけれど、山の中腹にかかる雲は噴煙のようにも見えて、この山がただの観光地ではなく、今も活動している火山なのだと感じさせられた。

少し開けた場所には木の案内看板が立っていて、その奥に山頂がすっと顔を出していた。手前の地面は火山礫だらけで、木もほとんど生えていない。歩いてきた道のりとはまったく違う、荒々しい景色に変わっていくのがわかった。
足元に咲いていた青紫の花

少し進んだところで、足元に青紫の花が咲いているのに気づいた。荒涼とした岩だらけの地面に、こんな鮮やかな色の花が咲いているとは思っていなかったので、思わずしゃがんで見入ってしまった。
雲の流れの速さに驚いた稜線歩き



少しだけ上らせてもらった場所からでも、眼下に広がる景色は素晴らしかった。何より驚いたのは、雲の流れる速さだった。さっきまで見えていた山頂が、あっという間に雲に隠れて、また少し経つと顔を出す。山の天気の変わりやすさを、まさに目の前で見た気がした。
望岳台と登山道について調べたこと
家に帰ってから、あの場所についてもう少し詳しく調べてみた。望岳台は美瑛駅から車で約35~40分の場所にあり、駐車場も入場料も無料で、20~30分程度あれば展望地点まで行けるとされている。晴れた日には十勝岳だけでなく、美瑛岳・美瑛富士・上富良野岳といった山々や、美瑛・富良野方面の広い景色まで見渡せるそうだ。ただし溶岩で足場が不安定な場所もあるため、サンダルよりも歩きやすい靴が向いているという。今回は入り口までしか行かなかったが、次に訪れるときはきちんとした靴を用意していきたいと思う。
望岳台から先は、十勝岳避難小屋を経て山頂を目指す本格的な登山ルートがあるとされている。吹上温泉から登るルートや、十勝岳温泉から上富良野岳を経由するルートもあるようだ。標高自体はそれほど高くないものの、森林限界を超えた火山礫の斜面が続き、風雨を遮る場所が少ない山だという。天候が急変しやすく、夏でも低温・強風になることがあり、山頂付近では視界不良になりやすいとも書かれていた。登山靴・雨具・防寒着・飲料水の準備に加えて、出発前に火山活動や入山規制の情報を確認することが勧められている。愛犬と一緒に本格的な登山道へ入るのは難しそうだと感じたのは、この点からも納得できた。
近くにあった火山資料館「VOLGA」
調べていて知ったのだが、白金温泉の近くには「十勝岳火山砂防情報センター」という施設があるらしい。愛称はVOLGA(ヴォルガ)で、十勝岳ジオパークの拠点施設の一つとされている。1階には火山災害や砂防事業を紹介するシアター、2階には火山弾など実物の火山噴出物や、噴火の記録・火山地形を解説するパネルが展示されているという。入館料は無料で、5月~10月は8:30~17:00、11月~4月は10:00~16:00の開館とされ、望岳台までは約3.3kmの距離にあるそうだ。次に訪れる機会があれば、山を眺めるだけでなく、こちらで火山そのものについても学んでみたい。
白ひげの滝という珍しい滝があるらしい
美瑛町の白金温泉街には「白ひげの滝」という滝があることも知った。落差約30mで、岩盤の割れ目から地下水が湧き出して美瑛川へ流れ落ちる、「潜流瀑(せんりゅうばく)」という珍しいタイプの滝に分類されるという。白い水の流れが白いひげのように見えることが名前の由来とされている。滝の水が流れ込む美瑛川は青みがかった色に見えることがあり、白い滝の流れとの対比が特徴とのことだった。橋の上に展望スペースがあり、そこから滝と川を見下ろせるらしい。JR美瑛駅から車で約30分、白金観光センターに無料駐車場があり、見学料も無料とされている。望岳台からもそれほど遠くない場所のようなので、次回はセットで立ち寄ってみたい。
白金温泉と吹上温泉、二つの温泉地
十勝岳の山麓には、性格の異なる二つの温泉地があることも今回調べてわかった。白金温泉は美瑛町側にあり、青い池・白ひげの滝・望岳台・十勝岳火山砂防情報センターをめぐる際の宿泊・休憩拠点として便利な場所とされている。温泉街には複数の宿泊施設や日帰り入浴施設があり、山の景色を眺めながら入浴できるという。
一方の吹上温泉は上富良野町側、十勝岳の中腹・標高約1,000mに位置する温泉で、周囲を山と森林に囲まれた野趣のある温泉地として知られているそうだ。代表的な施設は「吹上温泉保養センター白銀荘」で、日帰り入浴だけでなく自炊形式の宿泊にも対応しており、十勝岳登山や冬の山岳スキーの拠点としても利用されているという。男女別の内湯・露天風呂に加えて、水着を着用して利用する混浴露天風呂もあり、広い露天風呂から十勝岳の自然を感じられることが魅力とされている。日帰り入浴は10:00~22:00、入浴料の目安は大人700円とのことだが、時間や料金は変更される場合があるようなので、訪れる際は現地で確認したほうがよさそうだ。
| 項目 | 白金温泉 | 吹上温泉 |
|---|---|---|
| 所在地 | 美瑛町側 | 上富良野町側 |
| 代表施設 | 温泉街の各宿泊施設 | 吹上温泉保養センター白銀荘 |
| 主な周辺観光 | 青い池、白ひげの滝、望岳台 | 十勝岳登山、山岳スキー |
| 美瑛駅からの目安 | 車で約30分 | 車で約40分程度 |
白金温泉から吹上温泉へ向かう場合は、道路状況や通行規制の確認が必要とされている。特に冬季は山道の積雪・凍結や通行止めがあり、地図上の距離よりも時間がかかることがあるそうだ。今回は温泉までは足を延ばさなかったが、望岳台の帰りに白金温泉、あるいは登山とセットで吹上温泉に立ち寄るというのも良さそうだと感じた。
紅葉の時期にも訪れてみたい
調べる中で、十勝岳周辺は北海道の中でも紅葉が早く始まる地域だということも知った。山頂付近では9月中旬頃から色づき始め、十勝岳温泉周辺では例年10月上旬~中旬頃が見頃の目安とされている。特に十勝岳温泉の凌雲閣周辺では、赤や黄色に染まる山肌と荒々しい火山地形を同時に楽しめるそうだ。望岳台からも、紅葉した山麓と噴煙を上げる山頂を一緒に眺められるらしく、次はぜひこの時期にも訪れてみたい。
まとめ
愛犬の散歩がてら、たまたまたどり着いた十勝岳の入り口だったけれど、少し歩いただけでも景色の迫力は十分に伝わってきた。雲がどんどん流れていく稜線と、火山らしい荒々しい地面、そして足元に咲いていた青紫の花。準備不足で山頂までは行けなかったが、それでも十分に印象に残る時間だった。
帰ってから調べてみて、あの場所が思っていた以上にきちんとした登山口で、周辺にはVOLGAや白ひげの滝、白金温泉・吹上温泉といった見どころも広がっていることを知った。紅葉の時期にはまた違った表情を見せてくれるらしいので、今度は靴と装備をきちんと整えて、犬を留守番させてでも、もう少し先まで歩いてみたい。